第75回全日本アマチュア将棋名人戦沖縄県大会自戦記 準決勝 ▲桑江裕丈七段-△新崎良斗六段

2021年10月2日

2021/07/25に開催されました「第75回全日本アマチュア将棋名人戦沖縄県大会」の準決勝に進出した桑江裕丈七段から自戦記を寄稿いただきましたので掲載いたします。桑江さん、ご協力ありがとうございました。


皆様こんにちは、今回自戦記を書かせてもらうことになりました桑江裕丈です。よろしくお願いします。

さて、7月に行われましたアマチュア名人戦沖縄県大会準決勝、相手は新崎良斗六段です。
新崎六段とは実力差以上の相性があるようで、ここまで6~7戦ほど大会で当たっているようですが、今のところ負け無しとなっています。そろそろ負ける頃合いかとは思いますが…

さて、将棋の内容ですが、私が先手番になり、初手は、桑江と言えば▲7八飛の一手ですね。戦型は、これまた桑江と言えば、三間飛車穴熊です。全国大会の決勝、銀河戦など大きな舞台でもこの戦法と共に戦ってきました。対する後手新崎六段は居飛車党、2年前の別の大会での決勝ではelmo急戦でしたが、今回は相穴熊となりました。

第1図は後手から仕掛けたところです。先手の5九の金に当たるという主張ですが、三間穴しか指していない私に対して、定跡型から踏み込んでくるとは大したものだと思いました。実際は私もこの局面からの仕掛けを研究していたわけではありませんでしたが、逆の立場なら相手の土俵と思ってなかなか踏み込めないかと思います。

第1図

進んで第2図となりました。▲7一飛では普通は▲4九金左ですが、△6九飛の先着を嫌いました。後手は▲7一飛に対し△5九角成とできないとおかしいですが、後手は踏み込むと良くて千日手(例えば、△5九角成▲5一飛成△4九金▲3八金打、のような順。一見先手が打開できそうに見える)と判断し、△6一飛と受けに回ったようです。

第2図

しかし後手は金が離れたのは痛く、良し悪しはともかく踏み込むべきでした。第3図で離れた金を咎め、相穴としてその差は致命的で、後手が力を発揮できる場面もなく、自然に差を広げ先手の勝ちとなりました。

第3図

さて、快勝で決勝進出となりました。去年はアマチュア名人戦の大会はありませんでしたが、実は2年前、3年前と私が連覇しており、3連覇がかかります。決勝は、また別で掲載されるとのことなので、そちらもご覧いただけましたら幸いです。

拙文に最後までお付き合いいただきありがとうございました。

(桑江裕丈)