第76回全日本アマチュア将棋名人戦沖縄県大会代表選抜準々決勝(1) ▲城間永世四段△桑江裕丈七段 観戦記

2022年7月21日

 7月3日に開催した76回全日本アマチュア将棋名人戦沖縄県大会へ来場された島本亮五段に、大会の観戦記を寄稿いただきましたので、以下に掲載いたします。

 島本先生、執筆ご協力に感謝申し上げます。


第76回全日本アマチュア将棋名人戦沖縄県大会代表選抜準々決勝(1)
持ち時間 各10分切れたら一手30秒
▲城間永世
△桑江裕丈

初手からの指し手
▲7八飛 △3四歩 ▲4八玉 △5四歩 ▲3八玉 △5五歩
▲7六歩 △5二飛 ▲7五歩 △4二玉 ▲6八銀 △3二玉
▲5九銀 △3三角 ▲5八銀 △2二玉 ▲2八玉 △3二金
▲3八銀 △1二香 ▲1六歩 △1一玉 ▲7六飛 △5一金
▲1五歩 △4二金上 ▲7七桂 △5四飛 ▲9六歩 △9四歩
▲9七角 △6二銀 ▲4六歩 △8四歩 ▲4七銀左 △5三銀
▲5八金左 △4四銀 ▲6六飛 △5二金 ▲7六飛 △4二金右
▲6六飛 △5二金 ▲7六飛 △4二金右 ▲6六飛 △5二金
▲7六飛 △4二金右 まで50手で千日手(A図)

▲6六飛以下、千日手は不可解な気がします。
▲3六歩として△3五歩には①▲同歩△同銀に▲7四歩△同歩▲4二角成△同銀▲4五金のような手もありますし、②▲4五歩△同銀▲3五歩の突き違いもありそうです。
後手が2二銀と穴熊を完成していない状態なので、多少動かれても四枚美濃の堅さもあって大変な勝負になると思うのですが。
また、▲7四歩と突き捨てて△同歩▲6六飛とするような筋もあるようです。

A図△4二金まで

第76回全日本アマチュア将棋名人戦沖縄県大会代表選抜準々決勝(1)千日手指し直し局
▲桑江裕丈
△城間永世

初手からの指し手
▲7八飛 △3二飛 ▲4八玉 △6二玉 ▲3八銀 △7二玉
▲7六歩 △3四歩 ▲3九玉 △3五歩 ▲5八金左 △3六歩
▲同歩 △同飛 ▲3七歩 △3四飛 ▲2二角成 △同銀
▲8八銀 △8二銀 ▲7七銀 △2四歩 ▲5六角 △5四飛
▲6六銀 △5二金左 ▲8六歩 △2五歩 ▲8五歩 △2四飛
▲8八飛 (第1図)


千日手指し直しの本局。
初手から30秒将棋の早指し戦。だからなのかは分かりませんが、一直線の展開に。
△5四飛では△8四飛でも▲8六歩以下、同じ展開になっていたのでしょう。
先手陣は着々と攻撃態勢を整えて、潰しますよと言わんばかりの状況へ。
イメージでは▲5六角を据えられて棒銀が炸裂するとダメが定番ですが、そう上手くいくのでしょうか。

第1図は▲8八飛まで。

第1図以下の指し手
△7一玉 ▲8四歩 △同歩 ▲7五銀 △8三角 ▲8四銀
△5六角 ▲同歩 △8三歩 ▲同銀成 △同銀 ▲同飛成
△7二金 ▲8五龍 まで。(投了図)

△7一玉は前途したイメージに負けた手のような気がします。
普通に△3三銀として▲7五銀に△4四角でどうでしょう?
一例ですが、▲6六歩と受けると△2六歩▲同歩△同飛▲2七歩△5六飛▲同歩△7四歩といった筋もあります。以下▲7四同銀には△6六角の王手飛車ですね。
2四の飛車の横利きもありますし、そう簡単には潰れないはずですが、秒読みとイメージで慌ててしまったのかもしれませんね。
▲8四歩では▲7五銀が紛れが少ないようにも思います。というのも、△8四同歩では△8四同飛があって▲同飛△同歩の展開は大変ではないかと思います。
先手に一歩あれば8三歩で終了ですが、現状、取れそうなところがありません。
後手の気が変わって△4四角を打たせまいと先に突き捨てたのかもしれませんね。
この辺りは確認していないので、憶測ではありますが。
本譜はストレートに攻めが決まって、後手は戦意喪失した感じですね。

投了図は▲8五龍まで。

(島本亮)